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2018年7月29日 (日)

堕ちた王国

 以下、映画「ジュラシックワールド/炎の王国」のネタばれがあります。これからこの作品を見る予定の方は、この記事を読まないか、映画鑑賞後にお読みください。













 さて、僕がけっこう恐竜好きなのはこのブログを読んでいる人はだいたい知っているだろう。確かに子どもの頃から恐竜は好きだが、展示会や博物館に行って骨格標本を見たり、恐竜の本を読んだりするのが好きな程度で、論文を読み、フィールドワークに出るほどではない。つまりオタク度でいえば初~中級くらい。しかも興味の対象がほぼ獣脚類に集中しているので知識にも偏りがある。そんな僕が恐竜映画のジュラシックワールド第2作、ジュラシックパークシリーズでは第4作の「炎の王国」を見てきた。以下はその感想兼僕のストレス解消。いや、こうやって文章にしちゃうとスッキリすることもあるのよ。

 そもそも、この邦題が気に入らない。原題は「Jurassic World Fallen Kingdom」なんだから「炎の」じゃなくて「堕ちた」とか「落ちた」王国だろうに。配給会社は「炎の」の方がカッコいいと思ったのだろうが、内容から考えてもふさわしいとは思えない。さらに上映開始直後に日本語版字幕担当者としてあの大御所女史の名前が出てきたから戦慄したが、これに関しては劇中あまり変に思うところはなかった。

 さて、肝心の内容だ。この映画、人間側の中心キャストは前作から続投である。前作のジュラシックワールドにおいて、僕は最後まで「この人がヒロインなんだ」と気が付かなかったお姉さんは今回も主役で、相方の元ジュラシックワールド職員のお兄ちゃんも一緒。前作で一度は見捨てたはずのジュラシックワールドことイスラ・ヌブラル島に戻り、火山噴火で壊滅しそうなジュラシックワールドで恐竜を救おうとするところから物語はスタートする。
 と、その前に、前作のラストで海に沈められたハイブリッド恐竜・インドミナスの骨(DNA)を潜水艇で回収するシーンがあり、そこでもひと騒動起きるのだが、僕がちょっと疑問に思ったのが「なんで閉門されて仕切られた湾内であのデカいモササウルスが生き続けていられたのか」ということ。パーク(ジュラシックワールド)は騒動で破棄され、人間による給餌が行われていないのであれば、あれだけの巨体を生かし続けることは難しいだろう。だいたい、なんであのモササウルスは旅客機みたいなサイズなのか? とか、琥珀に閉じ込められた吸血昆虫から恐竜の血液=DNAを回収して現代に恐竜を蘇らせたというのがジュラシックパークシリーズの根幹なのに、どうやって海棲爬虫類であるモササウルスのDNAを手に入れたのか? とか前作から疑問だらけなのに、さらに疑問が増えてしまった。もちろん、フィクションなんだから事実である必要はないし、モササウルスが超巨大なのは前作ラストのカタルシスのためには必要なのだけど、もう少しうまくウソをついてくれないと、現代の地球に恐竜が復活したというこのシリーズ最大のウソすら真実味がなくなってしまうだろう。

 で、とにかく噴火で危機的状況にあるイスラ・ヌラブル島に向かう主人公カップル。そこではお約束の裏切りや、陰謀、自然災害、恐竜の暴走などがテンコ盛りで発生し、ついでにシリーズ初登場の恐竜も出てくる。やっぱり、このジュラシックパークシリーズ制作担当者たちは恐竜をかつて生きていた“動物”として描くのではなく、あくまで“怪物”として扱いたいのだということが分かった。だって、フィッシュイーターである確率の高いスコミムスがガンガン人間を襲ってくるし、羽毛の生えている恐竜もほぼ皆無。もちろん、劇中でも、パークの恐竜たちは発見されたDNAに人間が手を加えて蘇らせてものであり、中生代に生きていた本物と同じではない、という説明が出てくるが、それにしたって、である。あと、この映画を作った人たちはどうしてもプテラノドンを人さらいにしたいらしい。彼らが後ろ足で人間をつかんだまま離陸できるというのは無理があるって。

 ということで、中途半端に最新の恐竜生態復元の知識があると、細かいことがいちいち引っかかってお話に集中できない。もっとも、そんなに複雑なストーリーじゃないが。さっきからケチをつけてばかりだが、もちろんいいところもある。物語のキーとなる少女が実はクローン人間で、その彼女が同じ立場にあるクローン恐竜たちを現代社会へと解き放ってしまうという流れには説得力があるし、アニマトロニクスとCGを駆使した恐竜映像はかなりのもの。お話の最後にはカリフォルニア州の各地に恐竜が逃げ出してしまい、そのまま映画も終わりを告げてしまうという投げっぱなしエンドは、シリーズ第1作の原作小説のラストとも共通性がある。てっきり小説版へのオマージュかと思っていたのだが、どうやら次回作も公開予定とのこと。だから投げっぱなしエンドなのね。

 前作のヒロインでもあるクレアは今回も大活躍し、なんだか次作にも出てきそうだが、やっぱり見た目がヒロインぽくないので僕的にはマイナスかな。いいじゃん、映画なんだから、いかにも華奢で綺麗なお姉さんがマッチョな活躍したって。恐竜のウソやストーリーの齟齬なんかより、そっちの方がずっと夢のあるウソじゃん。なんだろうね、SW8といい、最近の映画であえて綺麗な女優さんを使わないのは。

 とはいえ、2021年に公開予定という第3作もたぶん見に行くと思います。

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