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2009年7月 9日 (木)

1/12~1/10カー用デフリングトゥルアー●キューテック

 思えばこの「すべては12分の1のために」は、雑誌連載時は基本的に製品レビューであった。毎回テーマになる製品を決めて、それについてアレコレ 書いていくものだったが、そこから脱線してしまうこともしばしば。まあ、それが持ち味でもあったわけだけど。で、ブログになってから好き勝手に書いてきた この「すべては12分の1のために」も、今回は基本に帰って製品のレビューを書いてみようと思う。また、せっかく写真を掲載できるのだから、今回は写真多め&大きめで紹介します。

 今回紹介するのは、キューテックが販売する「1/12~1/10カー用デフリングトゥルアー」である。
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パッケージはこんな感じ。

 RCカーの多くに採用されているボールデフは、スパーギヤ(プーリー)に組み込まれたボールと、それを両側から挟みこむデフリングとの摩擦を利用してデフ効果を得ている。通常はボールがプレートの間を回転することによって左右タイヤに回転差を与えるのだが、大きな負荷がかかったときや、スリップ時などにリングとボールの間に滑りが生じ、一種のLSD効果を生み出すのである。厳密には実車のLSDとは違うらしいけど、ここではそういうものだと思っておいてください。そうした構造を採用していることもあって、スパーに内蔵されたボールとリングはぴったりと接触している必要がある。だが、通常8~12個内蔵されるボールの大きさがふぞろいだったり、デフリングが歪んでいたりすると本来のデフ効果がスポイルされてしまう。それを気にする人は、デフを組み立てる前にリングを研磨するのだが、この研磨作業が意外に時間がかかり、面倒くさいのである。
 リングを研磨する場合、通常は平板に紙やすりを置いて、その上でデフハウジングやコインなどに貼り付けたリングを磨いていく。紙やすりもだいたい#320くらいから始めて、数回のステップを経た後に最終的には#1200~1500程度で仕上げを行う。この作業ははっきり言って地味で退屈。しかも一定方向にだけ研磨してしまうと、見た目はきれいなリングに仕上がっても、リングの両端で厚みに差ができてボールに均一に接触しなくなってしまうのである。だから研磨中はときどきリングを回してみたり、リングを保持するパーツを持ち変えたりしなくてはならない。しかし、今回紹介するキューテック製トゥルアーならば、誰でも(ここ肝心なところだと思う)平滑なデフリングを仕上げることができるというのだ。

 このデフリングトゥルアーについては、キューテックのサイトに使用方法などの動画が掲載されているので、それを見てもらうのが一番分かりやすいと思うが、要はデフリングを回転させながら研磨することによって、表面を平滑に仕上げるというもの。確かにこれなら手で押さえながら研磨するよりもハイレベルな仕上がりが得られそうである。

 ということで、早速この新兵器でリングを研磨してみた。トゥルアーに付属する説明書によると、新品のリングを研磨するよりも一度使ったものの方が転動痕(ボールによってついた傷)が分かって研磨しやすいとのこと。なので、現在の僕のレースカーに使っているリングを外して研磨することにした。

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今回研磨するリング。表面には転動痕がついている。

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デフリングホルダー。さまざまな大きさのデフリングに対応できるように、リング保持用のビス穴が多数設けられている。

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このようにリングをセット。

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後は付属するラッピングフィルム(やすりの一種)に水をたらしてひたすら磨く(100回転を1セットとして作業するとのこと)。リングを下に押し付けながら作業するので、それなりの力は必要。

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作業が進むと、フィルムの表面は真っ黒に(写真のフィルムは最も粗目の#320)。リングの通った後にできた螺旋がオシャレ。

 こうして作業を進め、デフリングの表面から転動痕が消え、平らでなおかつピカピカになったら終了。研磨前のリング表面の状態にもよるけど、今回はセットに付属するラッピングフィルム#320→#600→#1200の順で作業を進め、1枚のリングを仕上げるのにかかった時間は約30分だった。

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キューテック製トゥルアーで仕上げたデフリング。たまに勘違いしている人がいるけど、大切なのは表面がピカピカしていることよりも平らに仕上がっていることです。その上でピカピカならばなお良し。

 さて肝心なのはデフリング研磨の効果である。そこでデフリングトゥルアーで仕上げたデフを、ホームコースのクレストスピードウェイでテストしてみた。
 デフを組み上げてみると、その作動はスルスルでなおかつ滑らない。もっとも、このあたりは“ハンドメイド”でたんねんに仕上げたリングでも同じ程度にはなる(トゥルアー使ってもハンドメイドっちゃあハンドメイドだけど)。そして走行フィーリングも正直大きくは変わらない。だが、ビックリしたのはデフの“寿命”である。通常、クレストスピードウェイで走るときはバッテリー3パック走行程度でデフのメンテナンスが必要になる。メンテしないと走行中に滑ってしまうのだ。これはデフグリスが回転中に飛んでしまうことと、ボールの表面にホコリなどが付着することが原因だと思うが、トゥルアーで仕上げたデフは、とくに滑り出すこともなく4パック目の走行を終え、なんとそのまま7パックまでノーメンテで走り切ってしまった! また、これまではあまり分からなかったデフグリスの硬さ変更によるフィーリングの違いもちゃんと感じられるようになったのだ。これはトゥルアーによってリング表面に形成されたマイクログルーブ(微細溝)が、グリスをなじみやすくしたことによるものだと考えられる。

 正直に言って、実際に使用する前にはその効果を疑問視していたが、メンテナンスサイクルが延びたことには驚かされた。これなら、ギヤ比を変更しない限り1日の走行で1、2回のメンテナンスで済みそうだ。デフのメンテって結構メンドくさいから、この効果は大いに歓迎できる。メンテ中にボールを落として大騒ぎしたりするし。後は次にリングを研磨する必要が出るまでどのくらいの時間がかかるのかだが、こればっかりはもうしばらく続けて使ってみないと分からない。
 時間ができたらスペアカーと、たまーにしか走らせない10分の1電動ツーリングのデフリングも磨いておこうかな?

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